Reply Drafterを作った理由 — メール返信の時間を、半分以下に
#Reply Drafter#開発の記録
どんな仕事にも、「返信」という作業がつきまといます。問い合わせ、確認、お礼、日程の調整——一通ずつ内容を読み、言葉を選び、整える。一通は数分でも、日に何十通となれば、それだけで時間が溶けていきます。
しかも、メールの返信は気を抜けません。宛先の取り違え、不用意な一言、抜けた確認事項。送ってしまえば、取り消せない。だからこそ、片手間にはできない作業です。
「AIに全部任せて、自動で返信させればいい」とは考えませんでした。文面を機械が勝手に送る怖さを、現場は知っています。送る前に、人の目が要る。
だから、こういう形にしました。メールが届くと、AIがその内容を読み、返信の下書きを用意します。できあがった下書きは、手元のSlackに届く。中身を確認して、問題なければ承認ボタンを押すだけ。それで返信が送られます。それが「Reply Drafter」です。
下書きが意図と違っていても、やり直しは簡単です。Slackのその場に「もっと丁寧に」「この件には触れずに」と書けば、AIが指示をくみ取って、書き直した下書きを返してくる。納得できるまで、何度でも。最後に承認を押すのは、いつも人です。
AIでメールを書くこと自体は、珍しくありません。けれど多くの場合、生成した文章をコピーして貼り付け、しかも毎回「この件について、こういう方向で」とAIに指示を打ち込む手間がかかります。
Reply Drafterは、あらかじめ会社の文面ルールや定型の情報を読み込んでいます。だから「お世話になっております」から始まる名乗り、本文、末尾の会社情報まで、構成を一から指示する必要がありません。届いたメールを読んで、そのまま整った返信の下書きが出てくる。コピペも、プロンプトの打ち込みも要りません。
体感では、丁寧な返信を一通仕上げるのにかかっていた数分が、内容を確認して承認するだけの数十秒になりました。一日に十通の返信があれば、その差は積み上がります。そして何より、これがスマートフォンひとつで完結します。外出先でも、移動中でも、届いた下書きに目を通して、指先ひとつで返信が送れる。机に戻るまで返信を溜める、ということがなくなりました。
AIが下書きを作り、人が承認して送る。手間は半分以下に、けれど最後の判断は、必ず人の手に残す。これも、AIが現場に作る「余白」の一つです。
御社の受信箱に積み上がる「あの返信」も、同じように軽くできるかもしれません。